2017年03月06日

人魚

先日、山奥の渓谷へ釣りに行きました


さわやかな日差し、森の澄んだ空気と清流の澄んだ水


なんて気持ちの良い釣り日和!




釣りを開始して小一時間


異様に大きな魚影が足元を通っていきました


するすると上流へ泳いでいきます


澄んだ水のおかげでその大きな尾ひれが見えます


まっ、まさか、


こっ、このシルエットは、、



人魚?



この尾ひれの鱗の感じや大きさは子供の頃、絵本とかアニメで見た人魚にとてもよく似ています


上半身は光の反射でキラキラしてよく見えない


僕は魚影を追いかけて上流へ走りました


ところが人間が走って追いつけるほど魚は遅くありません


途中で見失ってしまいました


でも、


人魚ならどこかで岸に上がっているかもしれない


僕は必死に上流へ、山の上へ走りました



しばらく走って、息も上がった頃


ふと前を見ると川岸の岩に髪の長い女性が座っています


その下半身は、魚



人魚だ!


やっぱり人魚だったんだ!



なんということでしょう


発見してしまった


僕は人魚と出会ってしまった



僕はゆっくり人魚に近づいていきました




人魚を発見した興奮で今まで気がつかなかったけど


ふと見ると、人魚の横に見知らぬおっさんがいる


おっさんは人魚をスマホで撮影している


人魚も撮影慣れしているようで、ピースとかしている


人魚は幻想的で凛とした佇まいは一切なく、終始気だるい表情をしている


よく見ると、妙にケバい化粧をしているし髪もバサバサでひどく痛んでいる


タバコを吸いだした


肩のあたりにタトゥーまである


撮影を終えたおっさんから小銭を受け取っている


僕が近づくと、「アンタも写真とか撮るわけ?」みたいなダルそうな表情でこちらを見てくる



何かが急速に冷めていくのを感じた僕は何も言わず、すみやかにそこを立ち去ったのでした




はたして


僕はこの人魚に裏切られたのだろうか


それとも人魚のイメージを勝手に作り上げた自分が悪いのだろうか


そんなもやもやした思いを抱いて、家路につきました






という夢を見た